車 体(その1)


ここでは[(1)車両の位置呼称][(2)メーカーによる車体の違い][(3)謎のコキ104]
[(4)疑惑の車両・コキ104-94][(5)車体の違い(コキ104)][(6)検査関係標記板]
[(7)車体の違い(コキ106/107)][(8)元Mコキ][(9)ブレーキハンドル(1)]
[(10)ブレーキハンドル(2)][(11)ブレーキハンドル(3)]を見ていきます。


【車両の位置呼称】

まずは基本から。
鉄道車両には通称「順位」
と呼ばれる位置呼称が規程によって定められています。
よく聞く「前位側」、「@位側」、「A-C位側」等のあれです。
コンテナ貨車にも当然定められています。コキ104を見本にそれを見ていきましょう。



真上から見た図と思って下さい。
手ブレーキのある側が後位側と定められているので、非デッキ側が前位側となります。
コキ104はデッキに手ブレーキはありませんが、以前の形式(コキ50000等)に合わせています。
前位側の右から@位が始まりИ字形にA位、B位、C位となります。
車体への標記は@位とA位だけでB位とC位は書かれていないのはご存知の通りです。

側面は後位側から前位側を見て、右側が1位側、左側が2位側とされていて
特に「@-B位側」とかの呼称は無いようですが、ここでは分かりやすくするため使用します。
いわゆる@-B位側にブレーキハンドルがあり、緊締装置から台車を守る保護板はB位側に取り付けられています。
また「JR貨物」の銘板はA-C位側、製造銘板は後位側C位に取り付けられています。

車軸にも順位が決まっていて、前位側台車のやはり右側から@位が始まりИ字形にA位、B位、C位と進み
後位側台車は連番でD位、E位、F位、G位となります。車軸C位にのみアースが取り付けられています。


他の項と被りますが、実車写真も見ていきましょう。



@-B位側を後位側からです。この状態だとB-@位側とも言うようです。
ブレーキハンドルとB位に保護板が見てとれます。



続いてA-C位側を同じく後位側からです。少し分かりにくいですが
手前のコンテナの下に「JR貨物」の銘板が取り付けられています。



コキ車の場合、順位の標記は台枠の中に書かれています。



非デッキ側が前位側なので、@とAの標記があります。



上にも書きましたが、後位側には順位標記はありません。



反対側もしかりです。



何気ない台車の画像ですが、順位に関する重大なヒントが隠されています。
台車側枠の上の方にご注目ください。



工場でのメモ書きなのでしょう、向きを間違えないようにチョークで順位が書かれています。



自分もこのメモ書きを見て、初めて車軸の順位が分かりました。



こちらは台車枠ではなく、車輪にDとメモ書きがあります。ちょうど車軸D位の位置にあたりますが
何らかの理由で取り付け順位の指定があったものと思われます。



こちらは車軸A位の車輪に(2)、車軸C位には(4)と書かれています。
車輪自体は順位に縛られることはないと思いますが、指定されているのは面白いですね。

それではコキ車の基本が分かったところで、細部観察をしていきましょう。


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