車 体(その9)


【ブレーキハンドル(その1)】

個人的には「手ブレーキ」の方がしっくりします。
正式な名称は「留置ブレーキハンドル」といいます。
模型ではポン付けですが、よく見ますといろいろとディティールがあります。



コの字台座の上に歯車があり、上部に固定用のツメが付いています。
そしてツメ車(歯車)の上にブレーキハンドル本体が取り付けられています。




ノブが左に倒れている時は未使用(緩解)の状態です。



反対に右に倒れている時は使用(緊締)の状態です。
ご覧のようにツメがツメ車(歯車)を抑えているのが分かります。

また使用頻度のあるものですので、ハンドル自体が汚れたり
塗装が剥がれていたりします。ウエザリングのポイントかも知れません。




油汚れがひどいこの部部ですが、元々は車体色です。



また一部ではこのようにツメ車(歯車)に掛けるツメを黄色く塗っている車両もいます。
[コキ104-381、-512、-1163、-1942、-2024、-2087、-2761]を確認しました。
他にもいると思われます。



ツメの突起を白く塗っている車両もいます。
画像は[コキ104-1163]です。



いろいろと白いです。
画像は[コキ104-190]です。



こちらの突起は車体色です。
ちょっとした色の差は検査場の方の遊び心でしょうか?



ツメを黄色く塗っている車両はコキ106にも存在します。
[コキ106-21、-430]を確認しました。
こちらも他にも存在すると思われます。




ハンドルの色は黄色が標準ですが、中にはこのように
レモンイエローのような非常に明るい色に塗られている車両もいます。
画像は[コキ101-78]です。ペアになる[コキ100-78]や[コキ100-77]も同様でした。




反対に汚れが蓄積し、オレンジ色のようになったものもあります。



これは先端のキャップの部分のみ塗装されています。
修繕されたものと推測できます。


[ブレーキハンドルいろいろ]

細かすぎて伝わるか分かりませんが。



比較的初期に製造されたと思われる、持ち手断面が綺麗な円形のハンドルです。
辛うじて鋳造線らしきものが見えるだけです。ここでは「A形」とします。



その鋳造線から段になった形状が見られるようになりました。ここでは「B形」とします。
上の画像では塗装も相まってあまり目立ちません。



この同じ「B形」でもこちらは段差が目立ちます。
2021年現在、このような段付きハンドルが圧倒的に多いです。



上の画像と変わらないように見えますが、よく見るとスポークの1本だけが
外周に対して「ハ」の字の補強が見られます。ここでは「C形」とします。



その補強された部分のみ、外周とスポークがなだらかに接続されています。
ここでは「D形」とします。



上の画像と同じ「D形」ですが、ちょっと盛り上がっているようです。



半円のポッチが付きました。ここでは「E形」とします。
理由はよく分かりませんが鋳造の関係でしょうか?
また先の「D形」は、もしかしたらこの半円を削った跡なのかも知れません。



こちらは全てのスポークに対して「ハ」の字の補強がついています。ここでは「F形」とします。
「F形」の場合、段差が目立たない形状が多く感じられます。



続いて補強部分を見ていきます。
上の画像は「C形」ですが、「D〜F形」も同様です。



これは「D形」です。段差も埋まっているのが分かります。



これも「D形」ですが、スポークの幅分のみです。個体差があるのが分かります。



半円のポッチ付きは「E形」と「F形」で同形態です。
上の画像は段差が無いのと、右下の補強で分かるように「F形」です。



半円ポッチのサイズも個体差があるようです。
しかし段差の有無による目の錯覚でそう見えるのかも知れません。

このようにブレーキハンドルの形状もそれなりの数があるようですが
模型での再現は難しいです。というか、よほどの大スケールでないと無理ですね。



形状ではないですが、このような綺麗な「大」の字はあまり見ません。
模型で全車が「大」の字になっているのは反対にリアルでないといえます。
神経質に向きにこだわらず、気軽にポンっと取り付けるのが吉です。


[ブレーキハンドル取り付け位置]



さて、こちらは標準的なハンドルの取り付け位置です。



しかしコキ104の一部には低い位置に取り付けられている車両がいます。
コキ104の極初期車、1989(平成元)年製造の[1〜60番]までがこれにあたります。



下手な合成ですいません。
ハンドル半分とまではいかないですが、結構な差があります。



並んで連結されると、その差は歴前です。



なおコキ104以前に製造されたコキ100/101の全車と、コキ102/103の[〜180番]までも
ブレーキハンドルの取り付け位置は低いです。



なおデッキの無いコキ100/102はデッキ付きの車両と比べ
ブレーキハンドルの取り付け位置が台車寄りとなっています。



ちなみにコキ106は全車標準(高)位置です。



またコキ104、106共にハンドルを取り付ける台座はこのような溶接による固定ですが…



コキ106の最後期ロット、2006(平成18)年と2007(平成19)年に製造された[913〜1162番]は
このようにボルトで固定されています。合計250両いますが、全体から見ると少数派です。


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