会津のキハ8503


福島県にある「やすらぎの郷 会津村」の駐車場に元名鉄のキハ8503が保存されています。
新聞にも載り、既に多くのブログ等で発表されているネタですが
せっかく見学してきましたのでアップします。


元々この車両は名鉄から会津鉄道へ譲渡、彼の地で廃車になり売りに出されたものです。
幸い購入された方がいらしたようですが、東日本大震災の影響で地元への輸送が頓挫
それなら観光客の減った福島への呼び水になればと、設置されたようです。
一時、大手オークションにも出品され、話題にもなりました。

キハ8503の置かれている「やすらぎの郷 会津村」は有料施設ですが
キハ自体は外側の駐車場に置かれているので無料で自由に見学できます。
しかし駐車場なので車の往来には注意が必要です。




駐車場に鎮座するキハ8503の雄姿、と言いたいところですが
立ち入り禁止のテープが巻かれるなど、どちらかと言えば、囚われの身といった感じです。
設置当初はホロアダブターが付いていましたが、現在は車内に保管中のようです。

こちら側はまだ見られるのですが…



反対側は塗装の剥離がかなり目立ちます。警備会社のステッカーも必要以上に貼られている感じです。
クーラーに被せてある浸水防止と思われるビニールシートも剥がれたままで哀れを誘います。



連結面が撮影出来るのは大きな収穫です。貫通扉は薄茶色ですね。
しかしこちら側からみると車体の荒れがいっそう気になります。



やはり警備会社のステッカーが気になります。
ガラスの反射で見えにくいですが、運転席の右側に見える
小さなパトランプは常時点滅しています。
屋外とは言え、そんなに賊が多いのでしょうか…?




などと思っていると、妻面の製造銘板と思われるものが欠落していました。
果たして設置当初はどうだったのかは、知る術はありません。
また左上の検査表も差し込みの下部がめくれていました。
やはり警備アピールは必要ですね。




さて、このキハ8503ですが不思議に思えるところがありました。
それは乗務員扉窓に貼られた紙です。
しげしげと見てみると…




「舞木検査場」ですか。
自作なのかオフィシャルであるのかは分かりませんが
なぜこういった物が貼られているのでしょう?謎です。
元名鉄車アピールでしょうか?



多くの車両が廃車→解体となっている中で、現存している車両というのは大変貴重です。
しかし保存には常に金銭的な事が付いてまわり、なかなか難しいのが現状です。

物見遊山な私が言うのも気がひけますが、もう少しダメージの少ない展示だったらなと思いました。


「やすらぎの郷」のHPを見たところ、このキハ8503については触れていませんでした。
詳しくは分かりませんが、場所は提供するが我関せずなのでしょうか?

気が付いたら解体されていました、なんて事が無いよう祈るだけです。

● 2016/03/18追記 ●

「華盛交易有限会社」のHPによりますと
同車は2015年08月17日に会津の地より搬出され、もう1両の他のキハ8500と共に
船積みされた後、9月にマレーシアへ陸揚げされたそうです。

改装工事の後、2016年3月に試運転を終えたとの事です。
再び走りだすなんて凄く幸せな事です。
新天地での末長い活躍に期待します。


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